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Photoshopクリエイター能力認定試験とは?どんな試験か解説

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Photoshopというパソコンソフトをご存知でしょうか。
名前の通り「画像を加工するソフト」というイメージを持つ人が多いと思います。

ですが、Photoshopは写真だけでなく文字や図形を作成したりすることもできます。
また、絵筆のようなブラシを使うこともできるのでイラストの制作もできます。

そのような多くの機能を使いこなせるように、Photoshopには資格があります。
中でも国内で、知名度の高い資格が「クリエイター能力認定試験」です。

この記事では「Photoshopクリエイター能力認定試験」について解説します。

目次

    試験について

    まずは試験について大まかに見ていきます。
    ここからは執筆時の情報なので、最新情報は公式サイトをご確認ください。

    試験の概要

    正式名称が「Photoshop®クリエイター能力認定試験」。
    略称は今のところ無いみたいです。
    声に出して読みづらい長さです。

    試験は、全てパソコン上で行います。
    試験会場のパソコンを1台使って受験することになります。

    試験の目的は、「知識と制作能力」を認定することです。
    提示されたテーマ・素材から、仕様に従ってコンテンツを制作する能力を認定します。

    「知識と制作能力」とある通り、知識問題と実技問題があります。
    知識問題は選択肢で、実技問題は操作して回答します。

    学歴・年齢に限らず誰でも受験でき、履歴書にも書ける資格です。

    主な特徴

    試験の後半では、指示を読みながら1つのコンテンツを作っていきます。

    例えば、「イベント用のポスターを白紙の状態から作る」ような問題です。
    毎回の試験でテーマが変わりますが、ほとんど同じレベルの内容になります。
    最終的に完成したものを提出して、おおよそ問題なければ合格という流れです。

    指示があるとはいえ、1つの作品を作り上げることになります。
    実践的な能力が試されますね。

    難易度による違い

    この試験は「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があります。
    まずは違いを見ていきましょう。
    「スタンダード」から「エキスパート」で変わる点は、次の通りです。

    1. 前半の試験時間が長くなる
    2. 知識問題が追加される
    3. 内容が少しだけ難しい
    4. 受験料が少しだけ高い

    前半の試験時間が長くなる

    まず、前半部分の試験時間が

    • スタンダード:40分
    • エキスパート:50分

    と少しだけ時間が長くなります。
    理由としては、次で説明する知識問題が追加されるためです。

    知識問題が追加される

    スタンダードでは出題されていなかった知識問題が追加されます。
    分量としては、大問4~6問程度の問題となります。
    内容は易しめで、ほぼ過去問に近い問題が出る傾向があります。

    ちなみに知識問題は、全ての問題が選択肢となります。
    迷っても確率で当てることも可能です。(あまり良くはありませんが…)

    内容が少しだけ難しい

    全体として、スタンダードよりも少し踏み込んだ内容が出題されます。
    とは言っても「少しだけ」難しい程度ではあります。

    ちなみに試験テキストや問題集では、エキスパートは別ページに書かれています。
    なので学習を始める前にどちらを受けるか決めると良いでしょう。

    受験料が少しだけ高い

    受験料は、

    • スタンダード:7,600円
    • エキスパート:8,600円

    と少しだけ値上がりします。(理由は不明です)

    合格率は7割程度

    難易度に合わせて、合格率にも触れておきましょう。
    2020年の合格率が 73.9% でした。公式サイトより確認
    他の試験と比べると、そこまで難しくはない程度でしょうか。

    問題の出題範囲

    詳しい出題範囲については、公式サイトのページから確認できます。
    ここでは、大まかな内容が分かるように、大分類だけを抜粋してみました。

    • 基本機能
    • 選択範囲の作成
    • 画像の移動と変形
    • カラーモードと色調補正
    • ペイント
    • レイヤー操作
    • パスとシェイプ
    • テキストの入力と編集
    • フィルター
    • 画像の入出力
    • Web 用画像の作成
    • アクションと自動処理
    • DTP/Web デザイン基本知識

    サンプル問題

    とは言っても、学習前だとイメージが付かないかもしれません。
    知識問題の例として、サンプル問題を見てみましょう。
    こちらは、公式サイトからダウンロードできるサンプル問題から切り取っています。

    こちらの1つ目の設問は、色についての問題です。
    少しだけ解説しましょう。

    パソコン上でデザインされたものを印刷するときはプリンターを使いますよね。
    印刷した後に、「画面とは色が違う」と思ったことはないでしょうか。

    これは、画面上の色と印刷される色の仕組みが違うからです。
    画面上では「RGB」という赤緑青の3つの色の組み合わせで作られています。
    一方で印刷するときには「CMYK」という違う組み合わせを使います。

    この組み合わせの差によって、画面上で見れたとしても紙に印刷できない色が存在します。
    そのため、「画面と色が違う」といったことが起こってしまうのです。

    ですので印刷するときには、同じような見た目で印刷できる色を選ぶ必要があります。
    Photoshopでは、「この色で同じように印刷できるか?」をすぐに確認できます。
    その機能を知っている人ならば、問題が解けるはずです。

    このように、単純な操作を知っているだけでは、答えるのが難しい問題もあります。
    「どんなとき、どの機能を使うか」を理解しているかがポイントになります。

    日程・会場

    それでは、日程・会場について見ていきましょう。

    試験日程

    試験は、2時間程度で終わります。
    ですので、試験日としては1日だけです。

    試験終了から約1ヶ月後に受験結果が発表されます。
    合格すると、資格の「認定証」を受け取ることができます。

    試験時間

    スタンダードとエキスパート、どちらも2時間程度の試験です。

    • スタンダード:前半40分+後半90分
    • エキスパート:前半50分+後半90分

    正式には、前半が「第1部」、後半が「第2部」と名前が付いています。

    試験会場

    試験の実施方法には、「随時試験」と「団体受験」があります。
    ですが、「団体受験」は内部受験者など、特別な場合に行われるものです。
    基本的に一般の方は「随時試験」で申し込むことになります。

    「随時試験」は全国の試験会場で一人ずつ受験する実施方法です。
    会場で受験可能な日から、好きな日時を選んで申し込むことができます。
    随時試験は、ある程度自分の都合に合わせられるので便利です。

    申し込み方法

    申し込みは各会場ごとに行います。

    まずは、随時試験会場検索から試験会場を探しましょう。
    全国の会場から検索することができます。
    会場ごとに受験可能な日時も変わりますので調べておきましょう。

    会場が決まったら、直接会場へ受験の申し込みをします。
    申し込みの際に、試験日を決め、受験料を支払います。

    試験終了後、1ヶ月を目処に受験結果が発表されます。
    それぞれ会場が定める方法で、結果を受け取ることになります。
    基本は、郵送で自宅に合格証が届くような流れです。

    学習方法について

    ここからは、試験までの学習方法について解説します。

    参考書・問題集

    参考書や問題集は、公式のテキストを使用します。

    というのも、書店で買えるような参考書はほぼ無いためです。
    基本的には、公式のテキストで問題ないレベルということでしょう。

    テキストは、公式サイトの試験対応書籍から、確認できます。

    対応書籍は5冊ありますが、CCが主流なので下記の2冊で十分だと思います。
    (CCはPhotoshopの最近のバージョンのことです)

    問題集には、全模擬問題を受験プログラム化したデータが付いてきます。
    ほぼ実際の試験と同じように模擬試験も行えるという感じです。

    学習時間

    学習時間は、おおよそ2~3か月程度です。
    数か月の学習時間を見込んで受験スケジュールを立てると安心です。

    エキスパートの場合は知識問題もありますので、余裕を持っておくと良いでしょう。

    過去問題

    公開されている過去問題は特にありません。
    模擬試験が予想問題のようなものなので、そちらで十分かと思います。

    就職での活用について

    それでは、この試験に合格した場合、資格がどのように役立つでしょうか。

    受験者の声

    受験者の声として、公式サイトでインタビュー記事が公開されていました。
    デザインを専攻する方も受験されているようですね。

    本当に活かせるのか

    とは言っても本当に就職で活かせるのか、疑問に思う方がいるかもしれません。

    正直なところ、国家試験ではないので大きな期待はできないと思います。
    国内での試験なので、海外で使えるということもありません。

    デザインの仕事は、実務経験がある人が有利な場合が多いです。
    そうなると、資格よりも経験を優先される…ということもあるでしょう。

    ですが、言い換えると「実務経験がない人」にとっては武器になります。

    まずは経験を積むためにも、未経験歓迎の求人に応募するとしましょう。
    そこで応募する方は未経験の方が多いはずです。
    その中で、あなたが資格を持っている場合はどうでしょうか。
    基礎を1から学んでいるということは、少なからず有利に働くはずです。

    他の分野で活用する

    また、もしデザインの職種に就かなくても役に立つ場合もあります。

    今の世の中は、Webサイトや広告は至る所にありますよね。
    ですので、デザインとは関係のない分野でスキルを活かすこともできます。

    例えば、飲食業で働いているとしましょう。
    その場合、チラシを作ることがあるかもしれません。
    そんなときにデザインができれば、自力で作ることができるはずです。
    お店について知っている人がデザインすれば、より魅力が伝わるでしょう。

    資格を取るということに否定的な意見も多いかもしれません。
    ですが、基礎を学ぶということは、何事においても無駄ではありません。
    それはデザインでも同じです。

    おわりに

    少し長くなりましたが、以上が試験についての解説となります。
    受験を考えている方に、少しでも参考になれば幸いです。

    もしも、仙台で資格取得に悩まれている方は、当スクールもご検討ください。

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    最後まで、ご覧くださりありがとうございました。